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【第3-3回】お惣菜中の油の劣化「地球の食の七不思議」食育マスター講座

スーパーなどで陳列しているお惣菜、揚げた後に長期間保存されたポテトチップスやカップ麵、食べ残したフライドポテト…

油が劣化していくことで食品中に起こること


温めなおしたり、添加物が入っていれば、時間が経ってもおいしく頂けるけど、果たしてその食品にはどんな事が起こっているのでしょうか?

本日は、油そのものから調理された後までの油の変化に伴う食品成分の劣化についてお話していきます。

どんな変化が起きている?​

油を放置することで酸素と結びつき酸化していきます。それに加え、熱が加わっていくことで酸化が広がり、体内では利用できない老廃物になり有害化していきます。また、糖質やタンパク質が加わることで、さらに強い毒性が現れ体に害を与えていくことになります。

酸化

過酸化脂質の増加​

最終糖化産物(AGE)

アクリルアミドの増加

トランス脂肪酸​の発生​

酸化​​

穀類・肉・魚・卵などのたんぱく質や脂質には、酸性に作用する硫黄・リン・塩素などを多く、野菜、キノコ、果物、海藻などは、アルカリ性に作用するナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄などが多く含まれています。そのため、肉や卵、お菓子などを多く食べると酸性に偏っていくといわれます。だからといって、アルカリ性食品をばかりを摂ればいいということではありません。

ミネラルは、細胞の成長や治癒力、呼吸、栄養循環、酵素活性、神経伝達などすべての機能をコントロールする力を持っています。そのため、ミネラルの量やバランスの崩れが生命に関わる諸機能に大きく影響してしまいます。
 
私たちの体(血液やリンパ液)は常にpH7.4の弱アルカリ性に保たれています。体の血液が酸性に傾くと細胞に十分な栄養を供給できず、呼吸機能がスムーズに回らなくなります。呼吸回数が減って細胞が酸素不足になり、細胞が死んだり、癌化したりしていきます。

活性酸素の役割

活性酵素

私たちは絶えず呼吸をして、体内に酸素を取り込み生命活動を維持しています。その酸素の一部(数%)は大変不安定で活発に動く「活性酸素」というものがあります。この活性酵素は、体内に入ってきた細菌やウイルスを撃退するなど免疫機能、細胞内での情報伝達、代謝の調節などを行っています。

しかし、活性酸素は過剰に発生すると細胞を傷つけ、タンパク質を変成したり、次々とまわりを酸化させ、過酸化脂質を生じさせていきます。

活性酸素を発生させる原因

紫外線、大気汚染、タバコ、薬、ストレス、過度の飲酒、酸性食品、酸化された食品など

活性酸素の発生や働きを抑制

ストレス解消や禁酒、喫煙。抗酸化物質の多い食品、軽い運動など

劣化と酸化​​

製造過程での加熱処理や加温ディスプレイ販売による「熱」による劣化
太陽の日差しやショーケースでの照明による「光」劣化
長期保存や食品中に含まれる酸素による「経過」劣化

これらの劣化は悪臭、着色、異味など見た目だけだけでなく、機能や栄養成分的にも変質していきます。
その主な原因は食品中に含まれる成分の「酸化」です。

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脂質の酸化

油は開封することによって空気に触れた時点から酸化は始まります。また、開封しなくても、熱や光、微生物などによっても酸化は始まり、臭いや味、色、消えない泡や、粘りが出てくることもあります。

揚げ油など、高温で加熱して使うとさらに酸化は進んでいきます。スーパーなどでながく陳列され放置されていたり、パッケージされたスナックなどのお菓子も、時間の経過とともに酸化していきます。

主に油が酸化する原因は光・熱・酸素です。

過酸化脂質​​


油は長期間放置したり、繰り返し使われると「過酸化脂質」という有害物質になります。文字通り、脂質の酸化がいっぱいになったものです。

体内で発生した過酸化脂質は、連鎖的に隣りにある脂質を細胞膜やミトコンドリア、DNAなど重要部分の活性酸素と結合し、次々と酸化させていきます。増加した過酸化脂質は、腹痛や下痢、嘔吐、頭痛などを起こしたり、シミやくすみの原因となり老化を早め、アトピーやアレルギー、脳卒中や動脈硬化、心筋梗塞、発がん性のリスクを上昇させます。

最終糖化産物(AGE)

タンパク質と糖質が加熱されてできたものを「最終糖化産物(AGEまたはAGEs)」といいます。ブドウ糖がタンパク質と結合したり、離れたりしながら糖の構造を変えて、そのうちに結合が強くなり、離れられなくなります。(Advanced Glycation End Productの頭文字をとったもの)
例えば、たまご(タンパク質)と小麦粉や砂糖(糖質)が加熱(熱)で出来上がったホットケーキやケーキ、天ぷら、お好み焼き。そして、玉ねぎを炒めたものも。
 
糖化されたものや体内で糖化するようなものを食べると体内で必ず酸化し、活性酸素を猛烈に増やしていきます。これらは炎症反応を起こしたり、癌化をもたらしますが、最近これが増えるとコラーゲンなどのタンパク質がうまく作れなくなり、皮膚のたるみ・しわの原因となることが明らかになってきました。またこれが神経細胞に溜まるとアルツハイマー病などが起こるともいわれています。






アクリルアミド

AGEのひとつに「アクリルアミド」があります。特にイモ類、穀類、野菜類などに含まれる特定のアミノ酸と糖質が、高温調理(揚げる、炒める、焼くなど)によって化学反応を起こすことによって生成されます。

ポテトチップス、フライドポテトなどジャガイモを揚げた料理や、クラッカーやビスケットのような焼き菓子に顕著に多くなっています。アクリルアミドが含まれている食品

厚生労働省の発表では、アクリルアミドは発がん性分類を2番目に高い2A「人に対しておそらく発がん性がある」に分類されるとし、揚げ物の過剰な摂取を控えると共に、長時間の高温調理を控えるよう呼びかけています。

トランス脂肪酸

お菓子やパンに使用されるだけでなく、トランス脂肪酸は加熱した油からも発生します。油に熱が加わるにつれ、トランス脂肪酸が良くなるといわれています。

トランス脂肪酸は体内で活性酸素を発生させ、細胞の劣化、動脈硬化、発がん、認知症などの要因になると言われています。

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