前回「オーガニックは必ずしも農薬を使ってないという意味ではないよ」ということをお話しましたが
もちろん、オーガニックがでたらめだという意味でもありません。
オーガニックとは規格に基づいて作られた商品名でもあり、すべての命を配慮に入れて作られた循環システムそのものを指してもいます。
オーガニックは第三者機関が生産・製造などのプロセスを確認している。
生産者や製造業者が有機認定を取得しようと思ったら、登録認定機関に申請して調査してもらいます。
その後、登録認定機関は農林水産省(農林水産大臣)に申請し、農林水産消費安全技術センターがそれを検査し許可されれば登録されることになります。
そして登録認定機関から生産者・製造業者に認定されるという仕組みになっています。
とても、ゆるくはない道のりでお金もかかってきます。
上の画像のような認定マークをよく見かけると思いますが、これには色や大きさの表示方法の規定もあり、認定機関名や生産国などその認定機関によって表示する内容が異なります。
規格内容
ここでひとつ押さえておきたいことはオーガニックでは許されていないことは規定されているが、しなければならないことは規定されていないということです。
農業では、化学肥料や遺伝子組み換え技術の使用、合成除草剤や合成物質の散布などは禁止されています。
その反対に、有機苗や種の使用、有機肥料・家畜の糞尿・緑肥・残渣の利用したり、火炎除草機や農業機械なども使用しながら、手作業中心に進めたり輪作(毎年違う作物を作ること)をして化学肥料などを使わないで育てる方法を奨励しています。
オーガニックで病原体対策としては、害虫の天敵を放して住みよい環境を提供します。たとえば、アブラムシの被害にあうようなら、その天敵のナナホシテントウムシを放してアブラムシを退治してもらいます。
オーガニックで奨励されている植物エキス(ニーム)、駆虫薬、鉱物油、菌(納豆菌など)、細菌、石鹸、硫黄、銅なども農薬というくくりに入ります。
このようなものも、また猛毒の農薬であっても、畑に直接まかず入れ物に入れ害虫を避ける処置をすることで許可されていますがそのようなことが守られていないこともあるのか、オーガニックが誤解されやすい一因にもなっています。
畜産では、もちろん飼料に抗生物質や成長促進剤の入った添加物を禁止しています。
また、家畜を年中室内で飼育したり、繋ぎぱなしにすることや、スノコで床を全面に覆ったままワラや籾殻などをしかないで家畜にストレスを与える環境を与えることも禁止しています。
家畜も人間と同じように思うように動きが取れないと、ストレスを感じて家畜同士で喧嘩を始めます。そのために家畜同士に被害が合わないようにと、鳥のくちばしが折られたり、豚の尾が切断されたりしています。(それもNO麻酔で)オーガニックは動物福祉の面もふまえて、そのように飼育側の勝手な都合により家畜に損傷を負わせることを禁止しています。
そのために粗飼料(草系)と濃厚飼料(穀物など)の割合なども規定して自由に放牧したり、家畜の特性を考慮し欲求を満たせるような最低飼育面積を確保した住環境を提供してストレスを与えないようにすることを奨励しています。
また、ホネオパシー(自然療法)やフィトテラピーの積極的な利用を奨励し、予防目的で抗生剤や、成長ホルモン、胚移植や遺伝子組み換え技術などを使用することも禁止しています。
オーガニック製品については、生産過程がオーガニックならよいのではなくて、非オーガニックのものが混合することなく、製造全過程にその価値が守られ、製品の品質が保持されていることが必須です。
添加物も合成着色料、合成甘味料、合成香料、合成調味料、合成安定剤の使用を禁止し、水や食塩以外の農産物、畜産農産物を極力使用するよう奨励しています。
このようにオーガニックとは、必ずしも完璧な状態であることを命じたものではなく、それを食べた動物や人間の健康が保たれるよう、最悪な状態を禁止しています。
反対を言えば、どれだけ「普通」のものが、ひどい環境で育てられたりしているかも分かってくると思います。
今までそのような生産性だけを重視した方法でやってきた生産者・製造業者がオーガニックに切り替えるのは、コストも時間もかかり、とても大変です。
セサミキッチンもそうでした(というか、今でも大変です)。
これから始めるお店なら、その原価に合わせて価格を決めれば良いのですが、定着してしまっている店としたら、大きく価格帯を変えることは出来ません。
ましてや、567の影響でランチや安いものしか売れない状態になっている今、移行するのはとても難しい。
しかし、時代は変わります。みんながオーガニックの考え方を意識して商品を選ぶようになって来れば、大変だなんて言っていられません。
一年前に比べて、本当にオーガニック製品を買える店も卸業者も増えてきました。まだまだこれからです!
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