こんにちは。
最近、あなたがスーパーで購入した
じゃがいもの中で、芽が出てきている
ものを購入したことはありますか?
通常、じゃがいもは2~3週間
放置しておくと、皮に近い
ところから、緑色に変色したり
芽が出たりするものです。
この部分には、ソラニンや
チャコニンというグリコ
アルカロイド群(GAs)の
中毒性の問題があり、
腹痛、嘔吐、下痢、ひどい場合
は徐脈、呼吸困難などを引き
起こすなどといわれています。
過去にジャガイモの毒性が原因
で死亡した亊例はありません。
しかし、実はこれを防止するため
に、その毒以上に不安な処理が
行われている場合があります。
過去に問題になって、行われなく
なっているのかと考えられていた
じゃがいもの照射。
本日はこの照射にスポットをあてて
お話をしていきます。
照射って何?
じゃがいもは、芽が伸びると
養分が吸い取られ、ぶよぶよ
になっていきます。
そのため、発芽防止と殺菌殺虫
の目的のために、照射といって
放射線をあてる処理をしている
場合があります。
この照射によりじゃがいも細胞
のDNAを損傷させ、細胞分裂を
止めることができます。
要するにじゃがいもは生きて
いない状態になります。
照射されたじゃがいもの生産を
開始した当初は、年2万トンほど
でしたが、農林水産省が補助を
打ち切りした(1976)ことや
照射ベビーフード事件(1978)
などの影響で近年は6000トン以下
の生産になっているようです。
(パルシステム東京調べ)
今は、北海道の士幌農協にだけ
その照射施設があるとされて
いますが、その施設を利用せずに
行われている可能性もあります。
スーパーで買うじゃがいもは
いつまで放置しても芽は出て
来たりはしません。
いち日本人としては、放射線と
いうと、まず放射能を思い出す
ため拒否感があります。
しかし、海外で照射は、下記の
ような点から、この処理は安全
であるとし、広く世界で使用され
ている技術となっています。
- 加熱処理しないでよい
(加熱処理されないため、
成分や品質の劣化が少ない)
加熱できない生鮮食品や
冷蔵冷凍食品にも使用可能。 - 残留毒性、環境汚染がない
- 透過性が大きく、包装後に
も殺菌可薬品を使用しない
で済む
そもそも放射線って何?
放射線とは、放射性物質から
飛び出す粒子線や電磁波の
ことで、放射能(放射線を
出す能力や性質)のことでは
ありません。
もちろん、一定の条件のもと
正しく行われていることが
前提ですが、じゃがいもが
放射能をあびるということで
はではなく、
放射性物質(コバルト60)から
放出されるガンマ線という
高エネルギーの電磁波の放射を
与えるということです。
日本をはじめ世界各国や国際
機関でも、様々な実験が行われて
きましたが、どれも特に健康へ
の悪影響が現れたという報告は
ありません。
照射する放射線の基準は最大
150グレイと決められていて
この強さの範囲ならじゃがいも
自身に放射線が残る心配は
ないといいます。
しかし、本当に心配はないの
でしょうか?
世界の食品照射の状況
海外では、下記のように、
ほとんどの食品が殺菌、殺虫、
発芽防止、熟度調整の目的で
多くの食品に照射が行われて
います。
2006年1月に記載された
FAO/IAEAの最新データベース
では、食品類を以下の8つの
項目に分類し、57カ国が
登録しています。
- 球根及び地下根茎類(発芽防止)
- 新鮮果物及び野菜(熟度調整、殺虫)
- 穀類及びその製粉品、ナッツ、油糧種子、豆類、乾燥果物(殺虫)
- 魚介類及びその製品(殺虫・殺菌、生鮮又は冷凍)
- 生の家禽肉、畜肉及びその製品(殺虫・殺菌、生鮮及び冷凍)
- 乾燥野菜、スパイス、調味料、動物飼料、乾燥ハーブ及びハーブ茶(殺虫・殺菌)※
- 動物性乾燥食品(殺虫・殺菌)
- その他、蜂蜜、宇宙食、病院食、軍用食、卵からの液体増粘剤など様々な食品(殺菌)
香辛料の殺虫・殺菌などを目的とした※の項目を許可していないのは57ヶ国のうち日本とウルグアイだけです。
全世界の照射食品の処理量は、1997年200,000トン、1999年257,000トンと急速に増大しており、2004年には約300,000トンと推定されている
引用: 日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所<https://foodirra.taka.qst.go.jp/osirase/006001003066b.html>
日本では、じゃがいも以外の照射
は認められておらず、それ以外
の照射された食品の輸入は認めら
れてはいません。
しかし、輸入品のチェック体制
が不十分であるという指摘も
あり、完全に安心と言い切る
ことはできません。
実は、照射された食品の放射線量
を検知する方法がないため、海外
でも日本でも違法が相次いでいる
といわれています。
日本の食品照射の状況
日本では、食品衛生法に基づき、
原則としてジャガイモ以外の食品
については放射線を照射をしては
いけないことになっています。
近年、じゃがいも以外でも様々な
食品で照射の安全性が認められる
結果が出ているということなの
ですが、
一般消費者団体の反対運動により、
今のところは、じゃがいも以外の
照射は認められていません。
参考:照射食品反対連絡会
しかし2006年、内閣府原子力
委員会は食品、特に94種類の
香辛料の照射許可を厚生労働省
に要請を出しています。
しかし、日本では未だ、香辛料
での食中毒は確認されたことが
ないというという記事も実在
します。(照射食品ネットワーク
の里見宏さんの厚生労働省に
対する問いより)
それほど危険性のない食品に
対してわざわざ照射をする必要
があるのでしょうか?
■申請されている「香辛料」 の一覧
アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アムチュール、アンゼリカ、アナトー、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金、ターメリック)、 エシャロット、オレガノ、オールスパイス、オレンジピール、ガジュツ、 カショウ、カッシア、カフィアライム、カモミール、ガランガル、 ガルシニア、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェイ、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ (胡椒)、ゴマ(胡麻)、コリアンダー、サフラン、サッサフラス、サボリー、サルビア、サンショウ(山椒)、シソ(紫蘇)、シナモン、 ジュニパーベリー、 ショウガ(生姜)、スターアニス(八角)、スペアミント、セージ、セロリー、ソーレル、タイム、タデ(蓼)、タマネギ (玉葱)、タマリンド、タラゴン、チャイブ、チャービル、ディル、トウガラシ(唐辛子)、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニラ(韮)、 ニンジン(人参)、ニンニク(大蒜)、ネギ(葱)、ハイビスカス、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、パラダイスグレイン、 ヒソップ、フェネグリーク、ピンクペッパー、ペパーミント、ホースラディッシュ、ホースミント、ホメグラネート、マスタード(辛子)、 マジョラム、ミョウガ(茗荷)、メース、ヨモギ(蓬)、ユズ(柚子)、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、レモンピール、 ローズ、ローズマリー、ローズヒップ、ローレル、ロングペッパー、ワサビ(山葵)
( )内は、編集で独自に入れたもの。全日本スパイス協会が2000年に申請したリスト94品目。ただし1品目は後日削除されたとのこと。 どの品目かは不明。
<http://gakkyu-news.net/jp/030/039/post_218.html
スパイスと言っても、ハーブや
香味野菜なども含まれます。
このようなものが、許可されるよう
になってしまったら、今度こそ
本当に日本には生きた食べ物が
なくなります。
日本ではじゃがいもだけでなく、
1968年から玉葱(発芽防止)、
米(殺虫)、水産ねり製品(殺菌)、
小麦(殺虫)、ソーセージ(殺菌)、
みかん(表面殺菌)についての
照射の研究が続けられています。
安全性に疑問が残るデータが
あり、日本の消費者団体からの
強い反対を受けて、許可されて
いない状況ではあります。
しかし、違法な照射が行われて
いても、調べられるようなもの
ではありません。
そのため、パルシステムさんの
ようにスーパーなどで「芽止め
じゃが」「ガンマ線照射済み」と
書かれたじゃがいもをみかけた
際の情報提供を募集するなどの
活動が行われています。
照射による事件も起こっている
違法行為がどのように行われて
いるか、2つ例を挙げてみます。
照射ベビーフード事件
1978 年には、ベビーフードの
原料に用いる粉末野菜に食品
衛生法に基づく許可を得ずに、
放射線殺菌を行って販売した
ことが発覚しました。
これについては、一審、二審で
有罪判決が下されています。
照射ペットフード事件
2008~2009年オーストラリアで
輸入照射ペットフードが原因で
猫の神経障害が多発しています。
30匹が死亡、100匹以上が運動
失調や四肢麻痺をアイルランドでも
190匹が神経障害を起こしています。
これにはじゃがいもの照射に比べて
かなり強い放射線照射が行われて
いました。
しかし、これらの事件だけでも、
照射が安全ではないということを
証明してしまえるのではないで
しょうか?
有害性は⁉
食品に放射線をあてるという
ことに対し、国際会議(FAO/
IAEA/WHO 合同専門家委員会)
は下記のように断言しています。
いかなる種類の食品でも、総平均
線量が10kGy以下で照射された
食品には、毒性学的な危険性は
全く認められない。
WHOは定められた方法で放射線
を使用すれば、新たに生成される
物質(2-アルキルシクロブタノン)
による悪影響も、栄養成分の変化
もないものと主張しています。
「食品中にできる量はきわめて
少ない。毒性は、たとえあった
としても、きわめて低いか無視
できる程度だと考えられる。ゆえに現時点での科学的証拠に
基づいて、消費者の健康リスク
を損ねないと判断する。
これまでの『放射線照射食品 は
安全であり、栄養学的にも適当
である』という結論に疑問を
持つような根拠はない」
※2-アルキルシクロ(2-ACBs)
2-alkylcyclobutanones
照射食品から検出される脂質の分解生成物
照射時期によって減少
照射食品反対連絡会に寄せられた
報告の中で、問題なのは、照射
処理日から日がそれほど経って
いないじゃがいもが販売されて
いるという事です。
照射食品生産開始当初は、秋に
収穫後、春までに芽が出ないよう
するために実施されていたもの
だったのですが、最近では出荷
直前に照射されるようになって
います。
照射直後の食品の中には、発癌性
など毒性のある分解生成物が不安定
な状態で大量に生成されます。
しかし、この分解生成物は時間の
経過とともに少しずつ減少して
いきます。
照射直後の食品を与えた動物実験
では毒性が認められたという結果も
あることから、照射実験は照射後
3か月以降に実施されるようになった
とも言われています。
まとめ
照射直後には発がん性のある分解
生成物が認められます。
しかし、照射後3か月以上経過後、
実験結果としている可能性もあり、
毒性は下がっており、安全性が
主張されてきた可能性もあります。
本来、生産者がきちんと照射期間
や放射線の強さをきちんと守って
さえいれば問題は、起きないかも
しれません。
しかし、それが誤って少しでも
多くなった場合、ペットフード事件
のような惨事が人にも起こらないと
も限りません。
そして、気づかぬうちに、今度は
スパイスやハーブ、香味野菜までも
照射OKとなっていく可能性もあります。
消費者団体の活動をみんなで支えて
安全な食を守っていきたいものです
放射線は放射能の廃棄物から
作られているものもあります。
放射線ビジネスの波にのまれずに、
私は信頼できる農家さんから安心な
食べ物を購入していきたいです。
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